1月27日午後「SWSP札幌ワイルドサーモンプロジェクト 市民フォーラム2024」を開催しました。今年はSWSP設立10周年と豊平川さけ科学館40周年の年となり、NHK札幌放送局様と共催で開催しました。当日は128名の方にご参加いただき、節目の年に素晴らしいフォーラムの機会を頂けました。
報告
開会後まず最初に報告として、SWSPの有賀共同代表から豊平川のサケの今後の展望について発表しました。
SWSPが設立されて10年となり、人工ふ化による放流数を減らしてから10年近く経ちました。ちなみにサケが母川に帰ってくるまでは4年程度なので、2~3世代が経ったことになります。
発表では10年間にわたるSWSPの取り組みの結果、豊平川は稚魚の放流数を減らしても親魚の遡上数が維持されていること、野生魚の遡上数が増えたことが報告されました。
一方で、人工ふ化の飼育環境の向上と豊平川の環境収容力が限定的であることから、野生魚の割合がさほど増えていないことも報告されました。
このような状況を踏まえ、SWSPが取り組んできた地域連携やモニタリングといった活動を振り返り、今後の展望を考える発表を行いました。
基調講演
SWSPからの報告の後は、基調講演として北海道立総合研究機構の卜部浩一様より「川に必要な3つの流れ サケの産卵環境に重要な砂利のながれに着目して」と題して川の砂利と水温の関係について発表頂きました。
なぜサケの産卵に砂利が必要なのか述べられた後に、実際に豊平川で何が起きているか参加者に教えていただきました。発表後の質疑では参加者から多くの質問がなされ、サケの生態や豊平川の将来など、活発な議論が行われました。
パネルディスカッション
コーディネーターとしてSWSPの森田共同代表、パネラーとして、基調講演で講演頂いた卜部様、SWSPの有賀共同代表と平田役員が登壇し、豊平川の次の10年後について語り合いました。
サケの研究者、学芸員、ライター、市民団体として活動するパネラーのそれぞれの視点から、最近10年20年の豊平川がどう変わっていったと感じるか?都市河川の豊平川でサケの再生が続けられるようにするためにはどうすれば良いのか?熱い議論が行われました。
ポスター発表
次世代を担う小学生、中学生、高校生の水辺に関する学習・研究結果などのポスター発表が行われました。あわせてSWSPの活動報告、ちびリン漫画の一挙公開、オビラメの会の活動報告、アイヌ先住権研究プロジェクトのポスター発表も行われました。
コロナ禍でポスターセッションは4年ぶりの開催となり、参加者同士の交流がなされ賑やかで活発な時間でした。
フォトコンテスト表彰式
最後にみんなでサケさがそ!のフォトコンテストの表彰式が行われました。今年もたくさんの投稿を頂きました。今年の最優秀賞はサケのホッチャレをカラスとカモメでついばむ写真が受賞されました。
今回も多くの方々にご参加いただきありがとうございました!